焙煎師・藤田富雄にとっての珈琲とは?


自分好みの珈琲を見つけろ。

別にわたしの珈琲である必要はない。朝の忙しい時間にコンビニへ駆け込んで飲む珈琲でも、午後にカフェでくつろぎながら飲む珈琲でも、なんでもいい。 とにかく自分が好きな珈琲を見つけてほしい。私は昔コロンビアへ出張へ行った際に、とある珈琲農園で飲ませていただいた珈琲の味が忘れられずこの道に進んだ。 人類の歴史と共に長きにわたって愛されてきた珈琲は、多かれ少なかれ我々に影響を与えてくれるものであり、また私の珈琲でそれを伝えることができるのならばそれはこの上ない喜びだ。


こだわりなんてものはない。

珈琲を販売する店は数多くあるが、やたら『こだわり』という言葉を多用しすぎているように思う。 ハンドピックがどうのやら、ニュークロップがどうのやら。そんなことは、私にとってはこだわりでもなんでもない。良い豆を探してその旨味を最大限 引き出すためには当たり前のことであり、それをしていない店は単に当たり前のことができていないというだけのことだ。
基本的に私の焙煎仲間は常に欲求不満だ。一度たりとも100点の焙煎などしたことがないのだ。 究極の焙煎とは、どんな器具を使っても誰が煎れてもおいしい珈琲となるものであり、私はその無理難題に少しでも近づけるよう試行錯誤をしている。それだけのことなのだ。